きゃもん2018年2月号
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(引用)「次のステージに向かうJA自己改革」23p 小林 元 著 一般社団法人家の光協会 発行図1 代理店化による信用事業譲渡をすると?図2 在日米国商工会議所の意見書(抜粋)【金融事業】○JAグループの金融事業を金融庁規制下にある金融機関と同等の規制に置くように要請する。○これまで、JAグループの金融事業を金融庁規制下に置かない理由として、金融庁規制下の金融機関と異なり、不特定多数に事業を行わないことが挙げられてきた。しかし、JAグループの金融事業は実質的に不特定多数に事業を行っている状況が長く続いている。 もし、平等な競争環境が確立されなければ、次の規制などを見直し、JAグループの金融事業を制約するべきである。 ・組合員の利用高の一定の割合までは員外利用が認められていること ・僅かな出資金を支払って構成委員になることができる「准組合員制度」 ・JAグループ全体に適用している独占禁止法の特例【共済事業】 農協の改革については、まだ改善を行うべき点が残されている。(中略)最終的な改革法案では、平等な競争環境の確立に寄与する上記の内容(「農業改革に関する意見」の共済および准組合員規制の内容)はいずれも規定されなかった。なお、准組合員の事業利用に関する問題については、法律上、政府がこの問題を調査するための期間として5年が与えられたが、調査によっては、透明性を確保しその進捗を明らかにすべきである。【検索ワード】在日米国商工会議所 共済等 出典:URL http://www.accj.or.jp/uploads/4/9/3/4/49349571/1701_kyosai__ins_.pdf  次に、JA経営に与える影響について述べます。 信用事業の代理店化を言い替えると「現在のJAは自前の財布で経営しているが、この財布を農林中金に預けて小遣い制になること」です。自分の財布を預けた後は、JAは農林中金からの代理店手数料(≒決められた小遣い)の範囲で遣り繰りしなければなりません。 信用事業を分離して代理店化した場合、その際にJAが受取る手数料は現在の信用事業収益よりもはるかに少なく、収益力を大きく失います。よって、信用事業を分離したうえで営農指導や農業関連事業を現在と同じように運営することは極めて困難であると予測しています。 つまり、これまで施設維持にはあ稼ぎ頭を欠いたJA運営 信用事業を分離した農協は 「総合農協」から「専門農協」に変わります。 もし、農林中央金庫に信用事業を譲渡して代理店になった場合はどうなるのか述べてみます。 まず、皆様から預かっている貯金(平成29年12月末/1,173億円)と貸出金(同月/322億円)は、すべて農林中央金庫に移管されます。る程度の赤字はやむを得ないとされていた農業関連事業であっても、今は「稼ぎ頭」が居るので運営できますが、稼ぎ頭が居なければ、赤字を出すような運営を継続することは認められませんし、営農指導員の維持確保も難しくなります。 また、農業施設改修や選別機更新に必要な資金や、仕入れた購買代金支払に必要な資金、販売代金の仮渡など資金調達に時間を要し、総合事業による効果の停滞が懸念されます。 図1のように、特に農業関連事業の縮退は、産地規模やブランド力の低下に直結し、結果として農畜産物価格の低下につながりかねません。 なお、農業関連事業の運営収支均衡は従来からの命題であるため、現在でも検討を進めていますが、今回の信用事業の分離論は遥かに大きな影響が予想されることから、信用事業分離論に対して当JA理事で構成する「信用事業検討委員会」を新たに設置し、様々な角度で協議を進めています。 さらに、信用事業分離が本格的に議論されるのは、JA自己改革の集中取組期間の終了後(平成31年5月)とされており、「准組合員の利用規制」にも密接に関連する内容であるため、組合員の皆様にも十分に内容を理解いただけるよう、今後さらに情報発信を活発に行ってまいります。【全体運】できる人と比べて、落ち込む暗示。開き直りの気持ちを大切に。気分転換には植物に触れると効果てきめんです【健康運】食事の栄養バランスが好転のポイントに【幸運を呼ぶ食べ物】サヨリ52

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