Jasmile04
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ふるさとの旬を訪ねます。 長かった冬が終わり、梅の花が枝先に鳥たちを誘う早春の朝、平戸市大野町を訪ねました。海を望む高台にずらりと並ぶのは、およそ2,000平方メートルもある広々としたミニトマトのハウス。ここで日々野菜と向き合う、農家の西聡(にし・さとし)さん(35)に、ミニトマトづくりへの思いを伺いました。農場訪問「ミいニつトもマおトい農し家いの」若をき届ホけーたプい第4回ミニトマトさいかい魅緑探訪 西さんは高校卒業後、農業大学で農業を学び、家業を継ぎました。お父さんが平成元年から始めたミニトマトのハウス栽培は、今年30年目を迎えます。 ハウスに入ると、ミニトマトのさわやかな香りとともに、カラフルな光景が目に飛び込んできました。昨年夏に植えたというミニトマトの苗は、根元の方ではすずなりの実が赤や黄緑色に光り、上の方では鮮やかな黄色の花が咲き、蜂が受粉の手伝いをしています。 西さんご一家のハウスでは、8月後半〜9月に苗を植え、10月から6月にかけて収穫を行います。生産量は年間平均およそ13トン。「ハウスのミニトマトは根元から順に花を咲かせ、実がなるように育てます。強い株をつくることで、およそ8か月間の収穫が可能となるんです。おいしいミニトマトを作るための秘訣は、野菜がほしがる時にだけ水をやること。与える水が多すぎると味が薄くなってしまいます。また、余計なわき芽も全て取ればいいというものではなく、野菜の体調を見ながら必要な時には残すんです」と西さん。言葉の端々に作物への愛情が感じられます。 とれたてをひとついただき口に頬張ると、トマトの清々しい香りが鼻に抜け、みずみずしい果汁の中に甘みと旨味がたっぷりと感じられる、濃厚なおいしさ。「丸ごと食べていただくものだから、農薬を最小限にとどめたい。だから病気のない健康な個体を大切にしています」と西さんは続けます。そのために耐病性に優れた品種を採用するほか、病気の原因となる過度な湿気をこまめな換気で逃し、目の細かいネットでハウスをおおって害虫・ウイルスの侵入を防ぐなど、日々、ミニトマトの健康管理に余念がありません。 「安心でおいしい野菜を作ることはもちろん、農業の未来を考え、今後もっと多くの人に野菜のおいしさを伝えていきたい」という思いから、西さんは「野菜ソムリエ」の資格を取得。JAながさき西海の青年部副部長、平戸支部長としても活躍し、その熱心な姿勢と朗らかな人柄で、今日も地域の農業を盛り上げています。野菜のプロにインタビュー!家庭菜園で美味しいミニトマトを育てるコツ!家庭菜園でも人気のミニトマト。しかし「チャレンジしたけれどあまり収穫できなかった」「あまり美味しくなかった」という経験をしたことがある人も多いはず。そこでミニトマトのプロである西さんに、美味しいミニトマトを育てるポイントを聞いてきました!【取材協力】ミニトマト農家西聡さんとご家族の皆さん(平戸市)西さんのご家族は、西さんをはじめお父さん、お母さん、奥さん、時には2人の子どもたちも加わって、スナップエンドウ、芽キャベツ、ブロッコリーなど、およそ20種類もの野菜を育てています。ここで収穫した野菜をふんだんにのせたピザを、外の釜で焼いて食べるのが家族のお気に入りとのこと。ミニトマトは水のやりすぎに注意!夕方涼しい時間になっても葉がしおれているなら、翌朝水をあげます。土をビニールでおおうと甘みも増しますよ。

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