貯蔵性があり調理適性の高い野菜であることから、最も利用される野菜です。平戸市では、晩性品種の栽培が主流で、5月下旬以降、梅雨時期までの短い期間で収穫を行ったあと、「乾燥小屋」とよばれる屋根付き壁なしの小屋で、約10玉ずつにくびった後に竹に掛け、「吊り干し」という手法で自然の風によりじっくりと乾燥させ、7月から10月にかけて出荷されていきます。 赤土の粘質土で栽培されたたまねぎは、身のしまりが良く糖度も高く、様々な料理に使用され、スライスしてドレッシングなどをかけると、たまねぎの本来の甘みを楽しめます。
「平戸の赤土と堆肥で育った玉ねぎは、甘みがあり非常においしいと評判があります。玉ねぎ栽培は、平戸の風土に適しており、昔から行われていました。竹につるして干す乾燥方法も、昔の人が考え出した技術だと思います。 玉ねぎを生産する人が、だんだん少なくなってきていますが、水稲と複合栽培できる数少ない野菜として魅力があると思います。また、昔からの地域の伝統である玉ねぎ生産を、次世代に残してもらうためにも、私たちが農業の魅力を伝えていかなければと思っています。」