年頭のご挨拶 <令和3年>

ながさき西海農業協同組合 代表理事組合長 松田辰郎

 新年あけましておめでとうございます。

 組合員並びに地域の皆様方におかれましては、ご家族お揃いで健やかに新年を迎えられたこととお慶び申し上げます。

 旧年中は、JAの運営及び事業活動に対し、深いご理解とご支援、ご協力を賜り衷心より厚く御礼申し上げます。

昨年を振り返りますと、新型コロナウイルスの流行が発端となり、世界規模で経済に大きな打撃を及ぼしました。国内では、「新しい生活様式」という言葉が叫ばれる中で、我々JAの業務形態についても変化が問われ、未だに完全な終息が見えない状態に不安を隠しきれません。しかし、経済活動が停滞している中でも、第一次産業の需要はむしろ高まっており、日本の食を守る組合員の皆様に、より一層必要とされるJAとなるために、今後も様々な改革を実践し精進してまいります。

気候につきましては、九月二日に台風9号、七日に台風10号が接近し、記録的な暴風で各地に甚大な被害をもたらしました。九州を中心に非常に強い風を観測し、観測史上1位の値を超えるなど、記録的な暴風となりました。管内でも、農産物や建物に大きな被害をもたらしました。農畜産物への被害総額は約7億円で、家屋被害件数は約4200件でJA建物更生共済の支払総額は20億円以上となりました。しかし、管内において人的被害の報告はなく、また、全職員で被害調査を行うなど迅速な対応により、共済事業の重要性・優位性を地域住民にご理解いただいたものと思います。

農業情勢においては、令和二年十一月十五日に、地域的な包括的経済連携(RCEP)協定が15カ国で署名されました。東アジアにおけるメガFTAの枠組みが構成され、日中韓3カ国においては初めてのFTAが締結されました。自由貿易により安価な農畜産物が輸入される可能性がある中で、今後は日本農業の価値が重要視されると考えております。安全安心な農畜産物の生産により、消費者から選ばれる素晴らしい食文化を進展させていく必要があります。また、政府からは引き続き自己改革の取り組み強化を求められています。「農業者の所得向上」「資材価格の引き下げ」「信用事業の健全な持続性」など確実な実践に向け、組合員、役職員が一丸となり「農」に関する改革を更に進める必要があります。

当組合におきましては、平戸口中央家畜市場に宇久小値賀家畜市場を統合し、八月よりセリ市の毎月開催を実施しております。購買者の増加でセリ市も活性化し、所得向上につながりました。令和三年度からは、新中央ライスセンター・松浦野菜予冷庫の完成・稼働により、水稲・野菜作付農家の所得向上にもつなげてまいります。さらに、人口減少や農業者の高齢化等を見据えた新たな「JA事業モデルの転換」を図り、JA自己改革の歩みを止めることなく、組合員との対話を第一に「農業所得の増大」「地域の活性化」「JA経営基盤の強化」に今後もチャレンジしてまいります。

 結びに令和三年が、地域社会・地域農業・組合員皆様お一人お一人に、良い一年でありますことと、皆様方のご健勝、ご多幸を祈念申し上げ、新年のご挨拶と致します。